産業用イーサネットスイッチって何?選び方もポイントも解説

ビジネスだけでなくさまざまなところで使われているPCや通信機器は、今や当たり前の時代になっています。そのPCや機器に欠かせないネットワークを構築する際に使用するスイッチ型のハブ「スイッチングハブ」をイーサネットスイッチといいます。イーサネットとは、パソコンなどで通信のやり取りに用いられている規格のことをいいます。特に高度な情報のやり取りをする際は、情報を送る側の規格と、受け取る側の規格が違っていてはデータの送受信などできません。そこで、パソコン機器を接続する標準規格として1973年に開発されたのがイーサネットです。有線LANに用いられる規格としてイーサネットは最も普及しています。イーサネットのメリットとしては、大量の通信データを高速で安定したやり取りができることです。この記事では、上記のイーサネットスイッチの一般用と産業用の解説とともに、その違いや産業用イーサネットスイッチの選び方を解説していきます。

産業用イーサネットスイッチとは

イーサネットスイッチ

産業用スイッチとは、工業用イーサネットスイッチとも呼ばれていて、文字通り工業環境に適用されるイーサネットのことをいいます。鋳物工場など過酷な環境に対応できる耐久性にすぐれています。また、採用されたネットワーク規格のため広く使用されており、安価です。柔軟性の高い産業用アプリケーションのニーズを満たすよう特別に設計されていて、効果の高い産業用イーサネット通信を提供します。

産業用と一般用のイーサネットスイッチの違いは

当初使用されていたものはハブだけだったために、データを送りたい相手以外に他のPCや機器にも送信されてしまっていました。そこでスイッチングハブは、MACアドレスという固有に割り振られているPCや機器にある住所や存在のようなものを特定し、個別にデータを送信ができるものでした。上記は一般用イーサネットスイッチのことをいいます。産業用イーサネットスイッチと一般用のイーサネットスイッチは、機能と性能に違いがあります。

ここではその機能と性能について、「相互接続性とセキュリティ面」「外部環境への適応」の2つに分けて解説していきます。ちなみに、産業用と一般用を比較した際にケーブルやコネクタにも違いがあります。産業用では、工業環境の運用状況が悪いこともあり、頑丈なロック機構が必要です。耐久性が必要とされるアプリケーションでは、密閉型のコネクタが必要とされます。ケーブルについては、工業用ケーブルに標準的な質の高いものが使用されています。また、金属以外の部分についても耐久性が必要とされています。※1997年代に発売されました。

相互接続性とセキュリティ面

産業用イーサネットスイッチは一般用イーサネットスイッチに比べ、トラフィック増加時の相互持続性、リアルタイムの通信性・ネットワークセキュリティ・デバイスの冗長性・セキュリティ対策面などにすぐれています。

外部環境への適応

鋳物工場や船舶など過酷な環境に加え、産業環境では温度や湿度に加えて粉塵の特別な重要な要件があります。この特別要件が加わり、これらの要件を満たすよう設計されています。その中でも温度は産業ネットワーク機器に最も大きな影響を与えます。そういった点で、外部環境への適応というパフォーマンスの違いもあります。

産業用イーサネットスイッチは2種類ある

イーサネットスイッチ

産業用イーサネットスイッチには、アンマネージドスイッチとマネージドスイッチの2つがあります。ここでは、この2つの種類についてと機能的な違いについても合わせて解説していきます。

アンマネージドスイッチ

アンマネージドスイッチは、当初のスイッチングハブと機能が同じものです。現在、日本の製造業での現場では安価であるアンマネージドスイッチが使用されていることがほとんどです。アンマネージドスイッチは設定不要で、基本的な接続に使用されるプラグとプレイイーサネットワークシステムの1種です。ケーブルを接続してプラグとプレイイーサネットワークシステムで手軽に動作し、MACアドレスを自動管理できます。

マネージドスイッチ

その反面マネージドスイッチは金額が高いのですが、包括的な機能を提供することでネットワークのセキュリティの強化などさまざまな場面で活用できます。トラフィック増加時のネットワーク負荷分散、冗長性によるシステムダウンタイムに対する保護、セキュリティ対策、問題が起きた際のネットワークの分析に使用できます。

産業用イーサネットスイッチの選び方

ここまで産業用イーサネットスイッチについての種類、機能を説明してきました。では、具体的に製品を選ぶ際のポイントを解説していきます。選ぶ際のポイントとしては、接続したい機器の数・セキュリティ面の信頼性・最大転送速度この3つをチェックしましょう。

必要な数のポートが設置されているか

ポート数とはLAN端子の数のことをいいます。これは、何台の機器を接続できるかを指しています。ポート数は速度との兼ね合いや、接続するデバイスの数、またはネットワークの規模に応じて選びます。一般的なスイッチは1つのポートに2個~64個のポート程度のものになります。話が前後しますが、用途に適したスイッチを選ぶには接続するデバイス数と、デバイス数が変わる可能性があるのかどうかを判断することが重要になります。現状の必要な数に対して、さらに数台増やしておくと安心です。

信頼性はあるか?

インターネットに接続が加わることにより、セキュリティ対策は必ず必要になってきます。その際に、マネージドスイッチが大切な役割を果たしてくれるのです。さらに、ネットワークの故障などの診断も専用ソフトを使用することで、原因を一早く特定できます。

性能は良いか?

スイッチングハブとそれぞれの端末がデータのやり取りをする際の最大速度で、数字が大きいほど高速でデータを転送することができます。接続する端末の中で1番速い転送速度と同じ速度のスイッチングハブを選んでおくことで、転送速度が遅い端末をつなげた場合でも使えます。また、高い性能を備えているインテリジェントハブを使用することで、管理機能の他より便利なネットワークを構築するための機能を備えています。是非、導入の検討をおすすめします。また、耐環境性はいいのか?(堅牢性、防塵・防爆、IP規格対応など)も、産業用イーサネットスイッチを選ぶ際に重要なポイントになりますので覚えておきましょう。

マネージドスイッチの最新動向

工場のスマート化やIエッジデバイス対応など、製造業のデジタル革新は進んでいきます。その際、工場システムの中心となるのはネットワークと関連周辺機器になります。そこにマネージドスイッチを導入することで、ネットワークの信頼性やセキュリティ対策が可能です。参考までに、最新のマネージメントスイッチをご紹介します。今回紹介するマネージドスイッチは、管理されたスイッチがネットワークを一早く復元し、システム障害が発生した場合に信頼性を向上させる機能があります。

例)Ruijie Networks JapanのXS-S1930J-8GT2SFP-P

コンパクトでファンレス静音設計で、マンション&ホテルなど機器自体の設置スペースが限られているところに適しています。特長としては下記を参考にしてください。

コンパクト設計、狭いスペースにも設置可能

ファンレス、静音で省エネ

多様なセキュリティ保護ポリシーによる、安定した機器の動作と高い信頼性

クラウドプラットフォームによる一元管理に対応

まとめ

イーサネットスイッチ

最適な産業用イーサネットスイッチを使用するためには、産業用イーサネットスイッチに対する知識(信頼性や性能など)を得た上で、どの産業用イーサネットスイッチが最適なのか配備先のニーズについて詳細に調べることが重要です。最新の情報をチェックし最適なものを選びましょう。